「……え?」
 僕が、里香の部屋に入っての第一声。なんかもう頭の中が真っ白で、言葉が出てこなかった。
「あ…裕一、来るの早すぎ…」
 僅かに赤みが差した頬と、魅力的な瞳はいつもの里香だ。が、その着ている物がありえない。なんていうか、意外すぎる。
「里香、どうしてそんな格好してんだ…」
「あの…谷崎さんが貸してくれて、その…ちょっと着てみようかな、なんて…」
 原因判明。亜希子さん…リアクションに困るお節介ありがとうございました。
「どうかな…これ」
 いやどうかなって聞かれても僕としては里香ならなんでも似合うしだけど今の格好が嫌いかと問われたらむしろ大好きな部類に入る訳で…って意味がわかんないや。
「あー、なんだ…その、可愛いっていうか…反則?」
 そう、反則に近い。っていうか反則そのものだ。亜希子さん、あなたは何がしたいんですか?
「そ、そう?可愛い…かな?」
 そう言ってその場で里香が一回転。はっきり言おう。萌えたよ。萌え尽きたさ。
「ああ、すっげえ似合ってるぞ、里香」
 亜希子さんが貸したというそれは…
「どう見てもナースです。本当にありがとうございました、か…」
 最近ネットで見掛けた言葉を呟く。それにしても…ええい、連邦の秋庭里香は化け物か。いや連邦とか意味分かんないけどさ。なんとなく。
「どうしたの?さっきから裕一、ぼ〜っとしてるよ?」
 ぐぅ!?やめろ…上目遣いで、僕を見つめないでくれ…。ナースコスの里香が上目遣い…それだけで僕のJr.が暴走しそうになる。心臓なんて、16ビートのハードロックをドラムソロな状態だ。
「??………あ」
「え?………あ、いやこれはその」
 里香の視線は、マイサンに注がれている。なんで今日に限って…ちょっと細身のジーパン履いてるんだよ…。
「苦しそうだね、それ…あたしが出させてあげよっか?」
「…え?」

つづかない


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