学校内で里香と二人っきりの時、こんなことを言ってしまう裕一。
裕一「俺、里香の手術の傷跡、一度触ってみたいんだけど……だめ?」
里香「! 何言ってるのよ! バカ!!! ヘンタイ!!!」
顔を赤くしてその場から逃げた里香を追う裕一、途中で山西に会う。
山西「オマエ、目の付け所がイマイチ難儀だな。
うなじとか耳にさせてもらえば?その方が里香ちゃんもヨロコぶし」
裕一「ヨ、ヨロコぶ?」
どこからともなく里香が現れ、裕一と山西に大声でつっこみを入れる。
里香「ヨロコバないわよ!バカッ!」
そしてまた恥ずかしそうに去っていく。
裕一から逃げる里香は、下駄箱でみゆきと司に会う。
司&みゆき「どしたの?」
里香「裕一に追われてるのっ!」
みゆき「あらあら‥‥喧嘩するほど仲が良い」
里香「なんでそういうこと言うのッ!?」
里香が通り過ぎて少し後、裕一が司とみゆきの元に。
裕一「司っ! 里香こっちに来なかった?」
すると、にこやかに笑ってみゆきの方が答えた。
みゆき「うん。 ここを通って学校の外に」
司「水谷さん……」みゆきの腹黒さに、すこし困り顔の司。
裕一「ありがとぉっ!」格好よくそう言い、颯爽と里香を追う裕一。
里香は裕一から逃げていく内に若葉病院に行き、夏目と亜希子さんに会ってグチる。
里香「まったく……裕一は何考えてるのよ。全然わかんない!」
夏目はタバコを吸いつつ少しにやけながら、(わかる、すっげぇわかる……)
すると話しを黙って聞いていた亜希子さんが急に、
亜希子「あっ、裕一が来た。ほら、向こう」
必死になって遠くから追いかけてくる裕一に驚いた、里香はまた素早く逃げる。
里香「あっ……!!」
里香が去った後に来た裕一に、夏目は何も言わず里香の逃げた方向を指さす。
……逃げ回ったあげく、砲台山の台座の上に里香が夕日の光に照らされながら座っている。少し切なそうな顔をしながら。
いくらなんでも、少しやり過ぎたかな……と、裕一のことを想いながら。
何度目かの溜息を里香が漏らした時、彼女の隣に息を少し切らしている何者かが立った。
それは、裕一だった。ここまでしつこく追ってきた彼に負けて、彼女もいやがる素振りを見せながら立ち上がる。
裕一はいつも自分がされているように里香の前髪を撫でた後、
恥ずかしくて死にそうな顔をしている里香の胸元に手を入れた。それは、何を触ったのだろうか――
おわり
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