「ほい、プレゼント。」
何気なく里香に包みを渡す。
大丈夫、大丈夫。絶対バレてない。
中身が官能小説なんてバレてない。

「なんの、プレゼント?」
純粋に疑問に思ったように聞いてくる。
だがその質問は想定内だ。
「きっ昨日面白そうな本見つけたからさ、それだよ。」
やべっ、噛んだ。
慌てて里香の表情を伺う。
「ふーん、今開けてもいい?」
そっそれは困る。
「い、いや。じ、じっくりと読んでほしいから、い家で開けて?」
我ながら動転しまくりだ。
里香の表情が、疑いのそれになる。
「今日、裕一の家に行っていい?」
あれ、話題変わった?
顔も笑っている。
なんで?

「あ、ああいいぜ。」
「よかった。じゃ、行こ。」
里香が手を差し出してくる。
病院を退院して、学校に通うようになって唯一、普通に取れるようになった触れ合い。
学校の回りじゃしないけど、二人でいるときは大抵手を繋いぐ。
その手は柔らかく、白く、消えてしまいそうな位はかない。
その手を握り家路につく。
ガチャガチャ
ドアが開かない。
母親は出掛けているらしい。
「おばさん、居ないみたいだね?」
「だな。」
「裕一、鍵持ってるよね?」
里香が不安そうに訪ねてくる。
馬鹿にするな。
どこの世界に自分の家の鍵も持ってない高校生がいる。
とは言わずに、
「持ってるよ。」
と言う。
「よかった。裕一馬鹿だから、持ってないかと思ったよ。」
里香の視線が温かみを帯びた物に変わる。
「馬鹿にするねぇ。」
ゴソゴソとバックを漁る。
あれ?

ズボンと制服のポケットを漁る。

あれれ?

「ないの?」
「いや、まさか、そんなはずが……」
里香の視線が一転凍るような冷たさになる。
これが絶対零度という奴ですね。

「馬鹿裕一、どうするのよ。」
不貞腐れた顔で後ろから突いてくる。
「ちょっと待っててくれ。」
この炎天下の中に里香を長いこと立たせておくわけにもいかない。

だから俺は決心する、窓から家に侵入する事を。
「ちょっと危ないわよ。馬鹿裕一なにやってんのよ。」
里香はいきなり壁を登り出した俺に面食らい、そして止めようとする。

それにしても馬鹿を前置詞みたいに付けるなよ。
「大丈夫だよ。ちょっと待ってろって。」
スイスイと壁を登る。
最後に窓から入ったのが小学生の頃だから6年振りのアスレチックだ。

ガラガラ
無事二階にたどり着いた俺は自室の窓を外から開け、転がり込む。
「よかった〜」
下から里香の安堵の声が聞こえてくる。

やっぱ、心配させちゃったか。
早く安心させようと階段を駆け降り、ドアを内側から開ける。
「さぁさぁ上がって、上がって。」
「うん。」
「上、行こうか。」
里香のバックを持って上の部屋に行き、開けっぱなの窓を締め、クーラーをかける。
西日が差し込むからか、部屋は暑かった。
「ん。暑いね。」
苦笑しながら話し掛けてくる。
「ごめんな。オンボロがもう少し動けばいいんだけど。」
「ううん、いいよ。」
なんか凄く里香が優しい。
汗ばんだのか、制服の襟をつまみパタパタと煽る。
その拍子に里香の白くて細い鎖骨が見える。
その雪のように綺麗な里香に俺は感じちゃいけないものを感じていた。
「裕一、顔赤いよ?」
「あ、ああ。暑いからな。麦茶入れてくる。」
俺は逃げるように台所にいく。
里香にそういう感情を抱いちゃいけない。
俺の脆く弱い理性が唯一、幼く、ガキのような本能と熱く溜まった欲望を抑えられる事だった。
確かにそういう事をしたい。
でもその為に里香に負担を掛け、傷つけるなんて論外だった。
俺はもう一度厳しく封をかけてから、冷蔵庫から麦茶を取り出す。


そもそも今回の本だって、里香の赤くなり、可愛く恥じらう表情が見たいだけさ。
その表情にはその後の命を掛ける価値があるに違いない!

っと変なこと考えてたら麦茶をこぼしそうになった。
ちょっと量を調整しお盆に乗せ、階段を上がる。

「里香〜、開けてくれ。」
両手が塞がってるので、向こうに居るであろう里香に頼む。
「自分で開けなさい。」
冷たい……
ドアをなんとか開けるとそこにはベッドに横になっている里香がいた。
なんだよ、ごろごろしてるなら開けるくらいしてくれてもいいじゃ…………


顎が外れそうになった。
里香があの本を読んでる。

どうやら、もうすぐ俺はこの世から消えるようです。

サヨナラママン

「ねぇ。裕一もこんなことされたいの?」
おずおずと里香が訪ねてくる。
「へ?」
俺は余りに予想外の反応にフリーズしてしまう。
「だから、これに書いてあるような事っ!」
真っ赤な里香は凄く可愛かった。
「いや、まぁされたくないってわけじゃないけど……」
「してあげよっか?」
里香は微笑み、そう言う。
「里香?」
でもなんか違う。
里香はこんな事言わない。
「してあげる……ね。」
混乱している俺に里香の手が近づく。
「ダメだっ!」
反射的に里香を押し倒してしまう。
腰まである黒髪が扇のように広がり、どこか潤んだ瞳とあいまって凄く色っぽかった。
「なんで?なんで、ダメなの。裕一は私なんかじゃダメなの?」
里香がその体勢のまま泣き出す。
正直なんで里香が泣いてるのかがわからない。
パートナー失格だ。
でも泣きやませてあげたい、慰めたい。
純粋にそう思う。
「里香は、里香なんだから。里香のままで居てくれればいいんだよ。」
「で、でも私、裕一に酷いことばっか言ってるし、やってるし。裕一を傷つけちゃってるし、それに裕一の大事未来を奪っちゃってる。」
里香泣きじゃくりながら、切々と訴えてくる。
「里香、ずっと俺はそばに居るから。それに……俺はそういう事を里香にしたい。」
里香の充血したちょっと赤くなった目が大きく見開かれる。
「裕一、私に欲情してくれるの?」
俺はそれに口付けで答える。
「んっ」
そのまま下でちょんちょんと里香の柔らかい唇を突く。
もっと里香と深い所まで繋がりたい。
「んぁっ……ちゅる…んん……」
里香が開いてくれた口の中に躍り込み、熱く柔らかい、そして湿った里香の口を堪能する。

「ぷはぁっ……」
やっと里香と俺は口を離す。
その時再び見た里香は凄まじかった。
目はうるうると潤んでいて、顔は少し紅潮していて里香が身に纏っている制服が少しはだけてる。
戎崎コレクションや多田コレクションなんか及びも付かない程その里香は色っぽかった。

「ねぇ、いいよ?」
赤い顔をして誘ってくる。
これは明らかにそっち系のお誘いだ。
「ねぇ、いいよ?」
赤い顔をして誘ってくる。
これは明らかにそっち系のお誘いだ。
でも……里香が許してくれるんだ、いいじゃないかやってしまえ という部分と そんなことして里香に負担がかかったらどうするんだ という部分が脳内で激戦を繰り広げる。
「裕一ぃ、やっぱり私じゃダメ?」
フリーズしてしまった俺に、不安になったのか心細げに里香が聞いてくる。
その表情に思考回路がショートする。

「里香、いいんだな?」
「うん。」
里香が真面目にでもどこか嬉しそうに返事をしてくる。
俺を止める物がなくなった……

「はむっ……んぅっ……にゅる…」
再度里香の唇を奪う。
柔らかい唇、熱く湿りとろけるような口内、ぬめりと程よい硬さと柔らかさを持った舌。
全てを俺の物にするために舐め尽くし、堪能する。

「んぁ…ちゅっ……くちゅ……」
里香がおずおずと答えてくれる。
里香の表情もどんどんとろけてくる。

あのいつも勝ち気で強くて綺麗な里香を俺がこんな顔にしているんだと思うと背筋を、背徳的ななにかが駆け上がる。

「もう、いいよな。」
答を待たずに里香の背に回していた手を裾から服の内側に入れる。
「あっ……」
里香が漏らした声を口付けで塞ぎ、手で滑らかだけど凜とした張りを感じ、触り心地を味わいながら薄い胸へと近づけていく。

少し盛り上がったそこにたどり着くと、外側から円をなぞるように昇っていく。
それだけでも里香の柔かさが分かる。
極上の感触だ。
「うあっ……ひゃぁ…ゆういちぃ……ご…んあっめんね……胸…ちいっさくて…」
俺は里香のその言葉に思わず手を止める。
「小さくてもいいよ。胸じゃなくて、里香がいいんだもん。」
ありきたりなセリフを吐く。
「うん。」
耳まで真っ赤にしながらも、嬉しそうに笑う。
その表情に俺の心の中まで暖かくなる気がした。
やっぱり俺、里香に依存しまくってるな……

「いい?」
「うん。」
再度聞き、里香をベッドの上に寝かせてから、両手で胸を触る。
「ぁあ……んぅっ……」
必至に声を抑える里香が可愛くて、もっと鳴かせてみたいと頂上にある膨らみを潰す。
「ひゃああっ……ダメッ…コうぁっ…リコリしないでっ……」
すごく敏感みたいだ。
あの里香が弱気になって許しを求めてる。
凄くそそられる。

自分の欲のままに左手をスカートの中に入れる。
「濡れてる……」
そこはぬるぬるとしたもので濡れてて。
とてもいやらしかった。
「んん……ひゃあ……そこうぁああ…触っちゃあぁ……らめぇえ……」
ただその滑らかな筋を撫でているだけなのに凄い反応だ。

ツプ
指を中に入れる。
異物を押し出そうとキツク締め付けてくる。
でもそれに抵抗するように、指を動かす。

「ああぁっ…だめっ…ゆういち……なかいれちゃあうっ…だめぇ……うあああぁああっ」
里香が大きく嬌声を上げ背筋を反らせる。
「里香……イッちゃった?」
はぁはぁと息を荒げながら恨ましげにこっちを見る。
「ばかぁ。変になっちゃうじゃん……」
頬を膨らませて俺に文句を言う。

正直可愛すぎ。

その表情は完璧に脳髄を揺さ振ってくる。
「もう、いいよな?」
俺はズボンを少しだけ脱ぎ、里香の痴態に反応し大きく猛っているそれを里香のそこに合わせてから聞く。

「うん。」

里香は小さく、でもしっかりと頷いてくれる。
「痛いと思うけど、頑張ってな。」
里香の入口からそれを押し込む。
まだ何者も受け入れたことのないそこは、頭の半分くらいが入った所から頑強な抵抗を示し、なかなか奥深くに入れさせてくれない。
「くうっ……」
明らかに里香は痛がっていた。
これ以上押し問答を続けるより、一気にいった方が痛くないかもしれない。
俺はそっちを選択する。
「一気にいくぞ。」
一呼吸置いて一気に突き進む。
途中にあった膜のような物も無視して突き進んだ。
「いあああああっ……」
悲鳴と共に里香が渾身の力で抱き付いてくる。

「はぁ……はぁ……」
その状態のまま少し待つ。
「裕一、動いてもいいよ。」
里香が優しく言ってくる。
「いいのか?」
でも、俺は躊躇してしまう。
「うん。」
「その……大丈夫か?」
「すっごい痛かったんだからね。でも大丈夫。」
里香はいつものような笑顔を浮かべる。
その笑顔に勇気づけられ、ゆっくりと腰を動かす。
「ううっ……んぁっ…」
苦悶の表情を浮かべる里香。
そりゃそんな簡単に痛みが取れるはずがない。

でも……もう止まらなかった。
熱くて、たくさんの肉壁がものを扱いてくる。
余りの気持ち良さに、すぐにもイッてしまいそうだった。

「ぁっ…あぁ……ひゃぁっ…あうぁあ…ゆう…いちぃ…ゃあ……」
里香の声にも少しずつ色が混じってくる。
もっと聞いていたかったけど…俺自身がもう限界だった。
「りかっ…もう……」
「ゆういち…うあっ……きてっ。」
最後の抵抗とばかりに激しく腰を振る。
里香はきちんとそれを受け止めてくれ、俺の思考を白濁へと誘い込む。
「りかっ!」
ドクッドクッ
里香のもっとも奥深くで弾ける。
「あはぁ…裕一のが出てる。」




「里香、その……ごめん。」
情事の後の一刻を過ごし、俺達は心地よい倦怠感に包まれながらも後片付けをしていた。
「なんで謝るの?」
里香はついさっきまでの甘い顔から、本気で怒ってるときの冷たい顔に様変わりする。
「そ、そりゃ、里香に変な負担かけちゃったし、奪っちゃったし、揚句の果てに処女まで奪っちゃったし……」
「里香、その……ごめん。」
情事の後の一刻を過ごし、俺達は心地よい倦怠感に包まれながらも後片付けをしていた。
「なんで謝るの?」
里香はついさっきまでの甘い顔から、本気で怒ってるときの冷たい顔に様変わりする。
「そ、そりゃ、里香に変な負担かけちゃったし、奪っちゃったし、揚句の果てに処女まで奪っちゃったし……」
「謝らないで。私は後悔なんてしてないから。それに裕一が私の体のことを心配してくれるのは嬉しいけど、心配しすぎないで。私は、ちゃんとここに居るから。」
里香は強く言い切る。
確かにそうかも知れない。
自分が大事にしてる人に、自虐されたら誰でも怒るよな。
「そうだよな、うん。」
「わかればよろしい!」
「なんだよそれー」
あははと笑い声が部屋に木霊する。
「もうこんな時間だ。私帰るね。」
里香は壁に架かっている時計を見て、帰り支度をして玄関まで降りていく。
「それじゃあ、また明日。」
外まで見送ろうとつっかけを履こうとすると、いきなり里香が振り向く。
「ねぇ。」
里香がねだるような目をしそれに答え、一瞬だけ口付けする。
さっきまでしていた深い口付けとは比べ物にならない位浅いけど、心が繋がっている事がわかるから言葉では形容できない暖かさを持って来てくれる。

「じゃね。」
里香は幸せそうに帰っていった。


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