「司、お前ケーキ作れるよな?」
「作れるけど、どうしたの裕一」
「みゆき、23日空いてる?」
「空いてるけど?」
「司は?」
「学校が終われば空いてるよ」
「よし」
司とみゆきの頭上に大量のハテナマークが浮かぶ。
「一体何が良しなのか説明しなさいよ」
そして、みゆきがイラッとした感じで、問い詰めてくる。司もうんうんと頷きみゆきに同調している。
「4月の23日ってさ、里香の誕生日なんだ。ほら里香ってずっと入院生活だっただろ。だから、友達に誕生日パーティされたことがないと思うんだ。だから少し子供っぽいとは思うけどさ、誕生日を祝ってやりたくて。協力してもらえないかな」
頭を下げる。断られるとは思ってないけど、こっちが頼んでいる立場だし、礼儀だと思う。
因みに里香の誕生日を夏目に教えてもらったのは絶対に内緒だ。

「いいじゃん、やろうよ。どんなケーキがいいかな?里香ちゃんって甘いの好き?」
「それは、私が聞くよ世古口君。どうせ裕一は里香の好みなんて知らないだろうし、女の子同士の方がスイーツとかの話するし」
幸い司もみゆきも乗り気のようで、ぽんぽんと会話が進んでいく。
「裕一、誕生日プレゼントはどうするの?」
司が聞いてくる。
「俺は用意するけど、司はいらないと思う。ケーキ作ってもらうんだし」
「いやいや、ちゃんと用意するよ」
「ところで裕ちゃんは何にするの?プレゼントが被っちゃうと嫌だから教えて」
司とみゆきがこっちを見てくる。この状況は想像していなかった。言いたくないけど言わずには済まされない感じだ。

「……服」
「服?」
すごく疑わしげな視線を向けられる。そんなに僕のセンスは信用されてないのだろうか。
「それちゃんと着られる?サイズとかデザインとか、女の子って煩いよ?」
「……多分大丈夫。店頭でディスプレイされているのをみたら、里香に着てもらいたくなって買ったやつだから。サイズも大丈夫だと思う」
これはなんの羞恥プレイだろう。恥ずかしい。自分の趣味丸出し感がするじゃないか。
「ふーん、まぁ裕一が可愛いと思った服なら大丈夫でしょ。里香だし」
「うん、里香ちゃんだし大丈夫だと思う」
勝手に納得するみゆきと司。服を見せてみろとか言われなくて幸いだけど、何となく司とみゆきで通じ合っている感じがするのは気のせいだろうか。
「じゃ私はブローチとかそういう系にするわ」
「僕は何にしようかな」
「当日のケーキでいいんじゃないの?プレゼントだからって物とは限らないんだし」
「そうかな?裕一はそれでいいと思う?」
「いいと思う」
そっかと頷いて、よしとやる気を出す司。ケーキはかなり期待して良さそうだ。
「じゃそういうことで。裕一はちゃんと家を確保して、綺麗に掃除しておくこと。いい?」
「わかった」
いつの間にか仕切り役がみゆきになっているけど、まあいいか。




今日は里香の誕生日。今日の段取りはこうだ。
最初に里香をデートっていう面目で、放課後、駅前に呼び出す。
一緒に行こうといわれたら、日直とか委員会とかなんとか言って、別れるつもりだ。
学校が終わったら素早く司とみゆき、ついでに山西を家に入れて準備させる。
掃除は昨日かなり綺麗にやったから大丈夫だ。

僕はそれと入れ違いに里香を駅前に迎えに行って、家まで連れてくる。
そこでネタばらし。誕生日パーティに突入という段取りだ。
なぜかサプライズパーティみたいになったけど、楽しそうだからありだ。
ということで今は里香を迎えに行っている。

「里香、ごめん。遅くなった」
「もう、裕一遅い」
里香は学校から直接来たのだろう、制服でポニテに髪も結わえたままだった。
「ごめん、どれくらい待った」
「20分くらい。本読んでたからいいけど」
結構待たせてしまったらしい。
三人を家に連れていくのに手間取ったからなあ。反省。
とりあえず歩き出す。そしてどこに行くのかと聞かれると面倒だから話題を振ることにする。
「何読んでたの?」
「潮騒」
「潮騒?」
知らない。名前的に海の物語かな。
「知らないの?」
「うん」
「三島由紀夫は知ってるよね?」
「知ってるよ」
幾ら僕でも三島由紀夫は知っている。どうやって入ったのかは知らないけど、自衛隊基地の中に入って切腹した人だ。
何でそんなことをしたのかも知らないけど。ついでに小説家ということは知っているけど、具体的に何を書いたかも知らない。
「三島由紀夫は金閣寺とか潮騒が代表作って言われるんだけど、潮騒は三島らしくないって言う人もいるの」
最近、里香は以前みたいに、これ読めと本を投げつけてくるのではなくて、粗筋というか概要を説明して興味をわかせてから本を渡すようになった。
その方が、僕が本を読むと思ったのだろう。
「私は三島由紀夫らしいっていうか、三島由紀夫の匂いを一番感じると思うんだけど、今度渡すから読んでね」

「分かった。今読んでるのが終わったら読むよ」
因みに今読んでいるのは、川端康成の伊豆の踊り子だったりする。
里香と出会ってから、僕の読書量は間違いなく増えていると思う。
「ねぇ」
「ん?」
「何で裕一の家に向かってるの?」
さすが里香。別の話をしていても、自分達が何処に向かっているのかちゃんと把握していた。
……普通か。
「ごめん、忘れ物しちゃって」
別にばらしてしまってもよかったけど、何となくサプライズパーティにしておきたくて、隠す。
「忘れ物?」
「うん」
「そっか」
里香は大人しくついてくる。
病院に居た頃なら間違いなく、なにやってんのと蜜柑か本が飛んで来ただろうけど、最近は飛んでこない。
全くといっていいほどだ。
理由はわからないけど、僕にとっていい傾向であることは間違いない。

「私、ここで待ってるね」
家の玄関先で立ち止まる。
「いいじゃん上がってけよ」
ここで待たれてしまうと困るので、無理矢理手を掴んで家に引っ張り込む。
連れ込みみたいだなあと思ったのは心の中だけにしておこう。今日はそういうことが目的じゃないし。
里香はきゃっと声をあげて土間に座り込む。
「もう、無理矢理なんなのよ」
「ごめん。でもあがってお茶でも飲んでけよ。それから行こうぜ」
「その何処に行くのかも知らされてないし。したいならしたいって言ってくれればいいのに……」
里香は口を尖らせてぶつぶつとなにかを呟いている。
感極まったという奴だろう。手術の前でも泣いたことのない里香も歓喜には弱いということかもしれない。
落ち着くまで里香の頭に手をおいて優しく撫でる。
そのまま少し待つと、落ち着いたのか赤くなった目を軽く擦りながら言った。
「ごめん。こういうことされたことないから、びっくりしちゃって、嬉しくて泣いちゃった」
「ならいいけど、よし。それじゃあ楽しもうぜ里香ちゃん」
山口が里香に呼び掛ける。ついでに里香の背中に手を置こうとしたので、容赦なく払っておく。
「じゃ、蝋燭に火を付けるから、里香ちゃん消してね」
司が18本の蝋燭に火を付ける。
「わかった」
司が火を付け終わると、その赤く燃えている炎に里香が息を吹きかけ、一気に消す。
「「「「ハッピーバースデー里香ちゃん」」」」
ワアーっと皆で拍手をする。
「みんなありがとう」
里香が満面の笑みを浮かべる。僕もあんまり見たことのない、花が咲くような笑みだ。
それからは楽しいパーティの始まりだった。
みゆきがブローチを山西がハンカチを里香にプレゼントし、食べ物を食べ、馬鹿山西が持ってきたシャンパンをなんのかんの言いながら、みんなで飲み、司入魂のケーキを食べた。
因みにシャンパンは結局僕と山西で殆ど飲んだ。

「さあ、そろそろお開きにしようか」
あらかた食べ尽くし、飲み尽くした後、おもむろにみゆきがそう言った。
「うん、そうだね。そろそろ帰ろうか」
司も同調する。
僕と里香がどことなくくっつき始めたのに気を使ってくれているんだと思う。
だから僕と里香も引き止めない。本当はちょっと失礼だけど、今日だけはいいと思う。司にみゆきに馬鹿だし。
「え?なんでだよ〜、もっと話そうぜ〜飲もうぜ〜」

空気読めない酔っ払いが一人。
「世古口君」
みゆきの一声に司がすっくと立ち上がり、山西を担ぎあげる。
「ちょ、司?」
「山西君酔っちゃったみたいだから、お家まで連れてっとくよ」
普段の司と何等変わらない顔と声。
でも肩に背負った山西が、異様な感じを漂わせる。というか司も酔っている?
シャンパン一杯しか飲んでないはずだけど。
「それじゃね裕一、里香も楽しかったよ」
「裕一と里香ちゃんじゃあね」
みゆきと山西を担いだ司が部屋を出ていく。
あんだけ煩かった山西は背負われてから完全無口だ。なにか技を決められたのかも知れない。

僕たちはそのまま三人が家を出ていくのを只見送っていた、
「世古口君酔ってた?」
「……多分」
「そっか。ねぇ、裕一のプレゼントは?まだ貰ってないよ」
「ああ、渡してなかったけ。ちょっと待ってて」
プレゼントを取りに部屋に戻る。
さっきのプレゼント披露のとき、僕は恥ずかしかったから、後で渡すといって逃げていたのだ。

「はい。誕生日おめでとう、里香」
里香に紙袋を渡す。
「開けていい?」
「もちろん」
里香がごそごそと袋をあさり、中から服が出て来る。
「服?」
「うん」
「大丈夫かな〜?ちゃんと外で着れる〜?サイズとかデザインとか」
里香はにやにやと服を広げつつそう言った。
「サイズは大丈夫だと思う。デザインは……俺が里香に着てほしかったやつだから」
「ふーん」
里香は一通りデザインを見た後、服を体に当ててサイズを確かめていく。
「サイズピッタシ。何でこの服を選んだの?」

「えと、里香っていつも女の子な服だから、たまにはボーイッシュって言うの?男の子っぽい服が見たくて、そしたらたまたまこの服を見つけて、すごく里香に着せたくなったから?」
「何で疑問形なのよ。……いいよ、今度着てあげる」
「本当?」
「裕一が買ってくれたんだし、デザインもサイズも大丈夫だし、裕一が着てほしいんでしょ?」
僕はただ首を縦に振る。
「よし、それじゃあ、仕舞っておくね」
里香は綺麗にたたみ直し、紙袋に仕舞う。
こういう仕種を見る。と、本当に綺麗でおしとやかな女の子に見える
いや実際綺麗なのだけど。
里香は仕舞い終えると、前に座り、コテンと僕に体重をかけて、顔を胸に当ててくる。
「ねぇ、今日おばさんは何時に帰ってくるの?」
「夜遅くだよ」
「そっか・・・・・・」
こっから先を女の子に言わせるのは不粋というやつだろう。
里香の顔を持ち上げて、唇を奪う。
「しよう、里香」
「うん」
里香が頷く。
僕はもう一度軽く里香に口づけて、一気に抱え上げる。
「きゃっ」
属に言うお姫様抱っこだ。
「ちょっと、怖いよ裕一」
「大丈夫だよ」
里香を抱えて階段を上る。
口では大丈夫なんていっているけど、正直キツイ。普段鍛えていない奴には、45kg位は結構負担になるということだ。
ちょっと鍛えようかな。
里香をベッドに降ろし、腕の筋肉を解すように、ぶらぶらさせる。
「やっぱり重かったんでしょ」
ハハハと軽くごまかして、里香に覆いかぶさる。
そして三度目のキスをする。
さっきまでのとは違う。舌で軽く里香の唇を突く。

それに答えるように里香が唇を薄く開け、その隙間からこじ開けるように舌を侵入させる。
「んっ……む」
待ち構えていたように動き出した里香の舌と絡む。
里香のくぐもった声が僕の劣情を刺激する。
深くキスをしながら、里香の服を脱がせていく。
手探りでも、それなりの早さで脱がせられるようになったことに自分で感心しつつ、里香を生まれたままの姿に剥いていく。
唇を離し、身を起こして、里香の全身を見る。
キスの余韻で里香は、はあはあと息を荒げていて、その度に里香の薄い胸板が上下し、胸も揺れている。無駄な肉がついていないお腹や腕はほんのりと紅潮していて、とても煽情的だ。
そして一番敏感なそこはしっとりと濡れていて、準備が出来ていることを示していた。
普段だったらこのまま進入するけど、今日は里香をもっと鳴かせてみたい。そう思い、手始めに僕は、里香の脇腹に舌を這わせた。
「ひゃんっ」
ペロペロと肉のついていない脇腹から、腰骨の方へ舐めていく。
「ひあ……やめて、裕一……私今日お風呂はいってないからきたないよ」
「里香の体に汚いところなんてないよ」
お決まりの台詞を吐きつつ、お腹の上へと舌を移す。
塩と里香の匂いと、何となく甘い感じの味。
すごく変態みたいだけど、里香の体を舐めるのに僕は夢中になっていた。
「ふぁっ……ふう…………ああっ」
里香も最初はくすぐったがってたけど、今は大人しく舐められていた。
大人しくというより、明らかに別なものを感じていた。
「里香、気持ちいいの?」
「ベ、別に気持ち良くなんてゃあっ」
鎖骨を舌で刺激すると、これまでで一番敏感な反応を起こす。
ここも性感帯なのだろうか。

鎖骨を舌で舐め尽くしつつ、背筋を軽くなぞる。
「ふぁぁあっ」
里香が体を硬直させ、震わせる。
そのままはあはあと息を荒げている里香に、僕は聞いた。
「イっちゃった?」
「ベ、別に……」
「イっちゃったんだ、舐めてるだけなのに」
僕はまだ里香の本当に感じるところに手を触れていない。
全身が僕の唾液で怪しく濡れているけど、胸は触れてないし、あそこは別のもので濡れている。
里香の鎖骨を撫でながら、耳元で小さく囁く。
「舐められているだけでイっちゃうなんて、里香はHだね」
元々羞恥で赤かった顔はさらに赤くなる。
普段なら怒るだろうけど、今は肝心なことは何もされずに軽く上り詰めさせられた直後だ。
里香も、もっとしっかりとされたいはずだ。


僕が里香の耳元に顔を寄せたまま二三呼吸たつ。
その間、僕はさっき見つけた里香の性感帯を軽く刺激する。里香は目を閉じて、ただそれに堪える。
今、里香は自分の中の羞恥心と闘っているはずだ。
「ゆう、いち……」
「ん?なに?」
「ゆういちの、いれて……わたしをめちゃくちゃにして」
予想より一段上のおねだりが来る。
「……うん、めちゃくちゃにしてあげる」
僕は身を起こし、しっかりと僕のそれを里香の秘所に合わせる。
里香の顔は羞恥と期待で赤く、体は興奮で桃色に染まっている。
僕は張り詰めたそれを、既にぐしょぐしょに濡れそぼったそこに一息に突き入れた。
「ふああああぁぁっ」
里香があられもない声をあげるとともに、全力で僕の体に抱き着いてくる。
僕は里香のからだが近づいて来たのをいいことに里香の胸の頂点にある、限界まで立っているポッチをギュッとつまんだ。


「やうっ……」
里香はもう声すら出せずに、ただただ僕の体にしがみついている。多分、凄まじい快楽の嵐に吹きさらされているのだろう。
でも容赦せずに腰を動かす。
里香の"気持ちいいところ"をえぐるように前後させ、手は胸を揉み、乳首をつまむようにしてコリコリと転がす。
そして口は里香の咥内へと侵入した。
さっきの喘ぎで、息が吸えていなく苦しいのだろう、里香はいやいやをするように頭を動かす。
「ふあ、んむっ……んはぁっ、ひゃうあ」
その状態をほんの数瞬維持すると、里香のからだが細かく、痙攣するように震え始める。
でも僕は、里香をそこから下ろす気は全くなく、ぎゅうぎゅうとまるで初めてのようなきつさで締め付けてくるそこを味わうように、ランダムに力いっぱい突きまくる。
「むんっ…むううぅ……じゅる…あああっ」
里香は快楽の大波に耐える。膣は痛いくらいに僕を締め付け、体も僕の体にぶら下がるように抱きついてくる。
僕も里香にしがみつかれているため、腰しか動かせず、外から見たらかなりかっこ悪い状態になっている。
でも僕は夢中で里香の膣内を味わっていた。しっちゃかめっちゃかに、無茶苦茶に、ただ快楽をむさぼるために、腰を前後させていた。
「やあぁっ…だめっわたしばかになっちゃう……ひゃふぁぁっ…ああっ、こっわれ…ちゃう……」
僕の唇が離れると同時に、里香はあられもない声を上げ、体の力がぬけ、ぐったりとベッとに横たわる。
もう限界なのだろう。里香はいつもの綺麗な顔とは違った、欲情に飲まれきった顔をしていた。目はとろんとし、口は半開きでよだれがたれていて、僕には絶対見せない顔になっている。
それだけ気持ちよくなっているのだろう。僕も里香の痴態に興奮させられ、それを放出すべく、さらに激しく動き始める。
「やっ…だめ……もうだめ、だめ」
里香はちからなくそう言い、身じろぎすらせずに僕を受け入れる。でも、そんな状態でも、里香のそこは僕の物をきゅうきゅうと締め付ける。
「里香、イクよ」
短く声をかけて一気に奥まで突き入れる。
「ふあああああああぁぁぁっ……ゆういちのでてるっ……」
里香は全身を震わせ、僕のものを受け止める。
そしてそのまま里香は失神するかのように寝てしまう。
その寝顔を見ていると、僕も眠気を誘われ、里香の体を抱きしめつつ眠りに落ちた。


起きたあと、里香にやり過ぎと殺されそうになったのは別の話。


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