お風呂場で対面座位の絵が見られなかったのでむしゃくしゃして書いた。今は反省している。
ちなみに読む前提として、里香と裕一の二人の両親は、
温泉旅行かなんかで仲良くいなくなってて、里香が裕一の家に預けられてることにして下さいw
別に場所はラブホでも良かったんですが、そうするとちゃんとした浴室が無さそうなので……。
あと、里香の髪型の件ですが、通常通りのストレートでも、風呂に入る用に結い上げてるバージョンでも、各人のお好きな方で想像してください。
それではどうぞ。


「じゃあ、俺はそろそろ風呂にでも入ろうかな」
里香と共に食べた夕食の後片付けを終えて、食休みもした僕は、里香にそう言って入浴道具を準備しに行く。
「うん、先に入っててね」
いわゆるお茶の間かダイニングのような部屋で席に付き、他愛の無い夜のゴールデン帯のテレビ番組に視線を向けていた里香は、
その向きを変えて僕に答えてくれる。
吸い込まれそうな顔がちゃんとこっちを向いて話してくれたのが嬉しくて、つい芝居がかった冗談を言ってしまう。
「出来たら、里香も一緒に入ってくれて、背中でも流して俺の日頃の苦労を労ってくれたら嬉しいんだけど?」
「……もう、裕一のスケベ!」
恋人としての関係を何度か重ねていっても、彼女はこういうネタには拒絶的な方だ。
僕は、ハイハイそうですよねといった素振りを見せながら、自分の部屋に干しておいたバスタオルを取りにいく。
(まぁ、元々を考えたら、本当に変わったんだよなぁ……)
家の大きさに比例した程度のサイズの脱衣場の明かりを付けて、僕は服を脱ぎながらそんなことを考える。
脱いだ服を洗濯機に入れて、何年も使っているバスタオルをタオル掛けに掛けて、風呂場で使うタオルを手にとって、風呂場の明かりも付けて準備完了だ。
いつも通り風呂場のすりガラスの戸をガラガラと開け、いつも通りに身体の要所要所を石けんで洗って湯を打ち、そして入浴する。
ちなみに、髪の毛は一度身体が温まってから洗うことにしている。
そこまでの動作は半ば無心で行っていたけれど、湯に浸かって少し落ち着いてくると、さっきの里香とのやりとりを思い出してしまう。
(う〜ん、でも、やっぱりいつかは里香と一緒に風呂入って……それで、してみたいなぁ)
……僕が彼女を抱いたのは、多分まだ両手で数えられる程度の回数であって、自分で言うのもおかしい話だが、まだまだ初々しい部類に入るだろう。
(そりゃ、多少はアブノーマルなこともしたかも知れないけど、まだまだソフトなことだろうし、それに……)
もはや、親公認の恋人同士になりつつあるのに、まだ一緒に風呂に入っていないなんて、という思いは多少ある。
正直な話、里香と一緒にお風呂に入れたらいいな、というのは、それこそ入院していた頃から抱いている野望なのだ。
(少し遠くに遊びに行った勢いでホテルに誘うのは大丈夫だけど、自分ちの風呂に一緒に入ろうって言うのには、こんなに勇気が必要なのか……)
そんなことを考えていたせいで、僕は風呂の中で悶々としてしまっていた。思わず、口の辺りまで湯に沈んでしまう。
おまけに、ここ最近禁欲気味で射精をしていないせいなのだろうが、愚息が元気になり始めてしまった。
(いっそ今晩、里香が風呂に入ってる最中か、上がった後で……ダメだダメだ! そんなこと考えちゃ!)
僕は心の中で首を横にブンブンと振り、湯船の縁に置いておいたタオルで顔をしばくように拭き、邪な考えを振り払う。
そして、髪の毛を洗う為に一旦、湯船から出ようとして腰を上げた。
するとその時だった。脱衣場の戸が開く音がした。
ガラガラ……。
さっと目をやると、すりガラスの戸の向こう、蛍光灯の光明るい脱衣場で、何かのシルエットが動いているのが見えたのだ……。
何かの見間違いか? 不審者でも入ってきたのか?と最初の一、二秒は思ったけれど、どうやら違うようだ。
何故なら、これ以上見間違うハズもない。その細身の女性的なシルエット、頭部から腰にかけて伸びる黒く細かい帯のような髪。
どう見ても里香です、本当にありがとうございました……。
(って、ええええぇぇぇっ! ど、どうして里香が……!?)
里香が自分と同じ風呂に入りに来たという事実に、僕は嬉しいと感じるよりも強く、当惑してしまった。
もちろん、僕がパニくったところで時間の流れが止まるわけではない。
シルエットは丁寧にゆっくりと服を脱いでいき、一度全身肌色になった後に白い大きめの布をまとい、片手に白い小さい布を持って、すりガラスの目の前に立った。
そして、僕に向かって話しかけてくる。
「裕一、入るよ」
僕は慌てながらも、それに応じるしかなかった。
「ど、どぞ!」
すりガラスの戸がガラガラと開くと、そこには白い大きめのタオルのみを纏い、片手にはタオルをもった里香がいた。
タオルとはまた違った白さの肌が眩しい彼女は、ちょっとすました顔をしながら、僕にこう言った。
「裕一の日頃の苦労をねぎらいにきました」
僕は中腰だったのを止めて湯船に浸かりながら、里香に一応は感謝の言葉を述べた。
「ありが……とう……ございます」
僕の言葉を聞き終わるか否かという時点で、もう里香は風呂場の中に入って来ていて、こう返してきた。
「あれ、裕一のリクエストだから来てあげたんだよ? せっかく、背中流してあげようと思ってたのに、何かあんまり嬉しそうじゃないんだね」
バスタオルで隠されていない里香の胸元から上や、太ももから下に、自分でも制御出来ない視線をチラチラと走らせてしまいながら、
なんとか動く理性を総動員して僕は返事をする。
「いやいやいや! まさか、本当に来てくれるなんて思ってなかったからビックリしちゃって……」
その辺りの僕の言葉は、心底から真実と言える類のものだった。
「ふふ、私は行かないなんて、一言も言ってないから」
「ははは、まぁ確かにそうだよね」
口調を柔らかくした里香に、僕も緊張をほぐされて、一緒になって笑ってしまう。
いつもの二人のような雰囲気に戻ったところで、里香が本題について切り出してくる。
「じゃ、背中流そっか?」
「……うん。 頼む」
僕は股間を隠す為、腰にタオルを手早く巻いて湯船から出ると、洗面鏡の前にあぐらをかく。
風呂場に敷かれているスチロール製のマットの感覚が、自分の体重の感覚と共に、太ももの下辺りにジットリとくる。
ちなみに、洗面鏡の近くには髪を洗う時に使える風呂場用のイスがあるけれど、僕は普段からあぐらをかいて髪を洗うので、専ら母親にしか使われないモノだった。
一方、里香は僕の背を見るようにして立て膝になり、小さいタオルに石けんをすり込ませて意気込んでいるようだ。
その様子は僕からは見えないが、さぞ可愛くて色っぽいことだろう。
「さぁさぁお客さん、今日はどんなご用で?」
よくわからないが、里香は何か昔の人の口調を真似ているのだろうか。僕は背中越しに返事をする。
「はい、背中流しお願いしまーす。ちょっと強めにやって欲しいな」
「あいよー」
それから、里香は細くて小さい腕と手で、一生懸命に僕の背中を流してくれた。
よいしょ、よいしょ、という真心の籠もった息づかいと手遣いが伝わってきて、何とも愛おしい。
タオルで背中がゴシゴシと念入りに洗われるのも気持ちよくて、僕の口から思わず感想が漏れる。
「いや〜〜……気持ちいいな」
「力加減はどうですか?」
「ちょうどいい感じかな」
「もしも肩が凝っているのでしたら、お揉みいたしましょうか?」
「ありがと、頼むよ」
「お客さん、凝ってますねぇ……」
「まぁ、そこそこ頑張ってるからね」
そういう感じで里香の背中流しは進んでいく。
最後に、風呂桶にためた湯でザバーッと掛け流してもらうと、なんとも言えずサッパリとした気分になる。
単純に気持ちいいだけじゃなくて、やっぱり里香にしてもらうと格別だ。
背中に、マッサージとお湯のジンワリとした余韻が残るまま、僕は首を少し右後ろに回して、肩越しに里香にお礼を言った。
「いや、本当に気持ちよかったよ。ありがとう……」
すると、里香が意外なことを言い出した。
「いえいえ、まだ流してないところがありますから」
どうも変なことを言うものだと思ったのも束の間だ。
「え?」
……よく考えてみたら、風呂に背中を流しに来て以降の里香は何だか妙な感じがしたが、もっと早く気付くべきだったかも知れない。
「うあっ」
不意に、股間に痺れるような刺激が加わったので驚いて見てみると、なんと、里香の右手が僕の股間に添えられているではないか!
股間を隠していたタオルの中に、自分のモノではない白い右手が侵入し、根本の辺りをまさぐり始める。
「あ、里香、これなに……?」
僕が固まりながら(息子の方も)里香に反射的に尋ねると、里香は僕にしか見せないような艶っぽい微笑みを見せてこう言う。
「だから、ここはまだだったでしょ……?」
「っ」
次に里香は僕の背中に彼女の身体を近付けて、背後から密着してきた。
つまり……、
(うっ、もしかしてこの背中に当たってる、柔らかいタオルの感触は……)
背中に里香の身体が当たっていることに気付き、ますます僕のペニスは硬くなってしまう。
無理もない。最近射精していない上にいきなりこんな仕打ちを受けたら、こうなってしまうのは当然のことだ。
その自然現象に右手からの感触で気付いた里香は、素早く僕の耳元で囁く。
「ほら、お客さん、こんなに凝っちゃってるじゃないですか。ダメですよ、ちゃんとほぐしておかないと」
里香の右手は根本から上に向かって優しく扱き上げるようにして、僕のペニスのボルテージを高めてゆく。
「うっ、く」
身体と心の大切な部分を、里香に文字通り掌握されてしまった僕は、なされるがままに快感を受け入れていく。
「実はね……裕一のここがこんなになってるの、私、触る前からわかってたんだよ」
里香は明らかに昂ぶりながら、僕のカリ首の辺りを包皮と扱きあげてゆく。
「さっき、私がお風呂に入ってくるのを見る前からだよね? だって、そうでもないと大きくなるのが早すぎるから」
「う、うん……」
完全に勃起したペニスを扱かれ、ダラダラと先走り汁を流しながら、僕は里香と会話する。
向こうの顔が直接見えない分だけ、余計におかしな感じがする。
「やっぱり、そうなんだね。裕一は一体何を考えてお風呂に入ってたのかな?」
早くも射精の予兆を感じながら、僕は正直に里香に告白する。
「う……俺は、里香と、風呂に入りながらエッチしたいって考えながら……風呂に入ってました」
……そう懺悔するように言葉を紡ぐと、一層股間がニュルニュルとした快感に包まれて、高い熱を帯び始める。
「あはは、こういう時の裕一はいつも正直で可愛いね」
まずい、もしかして里香の天性のドSスイッチが入ってしまったかも知れない……。
おまけに、僕はもう半ば射精しそうになっていて、そのことさえも里香に気付かれてしまう。
とはいえ、僕が感じている羞恥心も、もはや快感を高めるスパイスにしかならなかった。
「ねぇ、もしかして……もうそろそろ出そうなの?」
僕はコクコクと頷く。
「そっか、最近全然してなかったもんね……わかった、早く出させてあげるから、我慢しないでいいよ」
里香はそう言った後、僕の首筋や耳の辺りに温かい吐息を吹きかけてくる。
「ほら、いいから、もう出して……見ててあげるから、いつでも出していいんだよ」
左腕を僕の胴体に回して背後から身体を密着させて来て、右手では激しく僕のペニスを扱き上げる。
限界だった。今まで引き絞っていたモノが、思う存分に暴れ始める。
丁度タイミング良く、里香が下に向かって大きく扱いた時に暴発を起こした。
「うああっ……!」
ビュクッ!ビュッ!
灼けるような快感が脳内を迸る中、僕のペニスの先端から白濁した熱の固まりが勢いよく前に飛ぶ。
それらはピトピトと音を立てるようにして、洗面鏡の下の辺りにへばりつく。
僕は瞬間的に、快感の後にやってきた、言いようのない大量の虚脱感に襲われる。
里香はというと、射精を終えて随分サイズダウンしたペニスを優しく撫で回した後、そっと手を離す……。




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