「裕一、明々後日なんだけどさ、用事、ある?」
「明々後日?」
今日が21日だから、明々後日は24日。
12月24日といえば。
「も、勿論ない。全く、これっぽっちもない」
その日の事をどう里香に話そうかと思っていたくらいだ。
「じゃあさ、うち来ない?」
「里香の家……?行く、行く行く。行きます」
僕の慌てっぷりに、里香が笑みを浮かべる。
「じゃあ24日の5時に来て。……お母さんいないから」
「分かった」
僕は内心、いや、隠せてないかもしれないけど、快哉を上げていた。
これまでこういうイベントは全部僕が誘っていた。
その度に焦らされたり、断られかけたりしてわけだ、まあ結局は全部受けてくれたけど。
それが今回は里香から誘って来てくれた。
しかもお母さんがいないという条件付きで。
当然、そういうことだろう。
これが嬉しくない男なんて、男じゃない。
「それじゃね。楽しみにしておくよーに」
里香はそう言って、家に帰っていく。
「了解」
さて、僕も里香へのプレゼント考えなきゃな。

つーことでやってきました、クリスマス。
クリスマスの朝時点で、女子との予定が入っているのが人生初めてということに気付いて無意味にガッツポーズしたり、何と無く部屋の掃除をしたり、里香へのプレゼントの中身を確認したり、とにかく無意味にそわそわと過ごして時間を潰す。

うん、我ながら落ち着きがない。
そんな風に時間を潰しても、結局里香の家の前に、予定時刻の30分前に着いてしまう。
でも、人の家に時間より早く行くのはマナー違反なんだよな。
たしか3分遅れ位で行くのがいいんだよね。

忘れ物がないかチェックしよう。
クリスマスプレゼント、寝間着代わりのジャージ、あと、アレ。
まあ、ほら、里香のお母さんいないらしいし、二人きりだし、聖夜だし。
そういうことを期待してしまうのは仕方ないと思う。
「裕一?何してるの?」
そんな挙動不振な行動をしていると、中から里香が出て来る。
「里、里香。いや、なんでもないよ」
「そう?ならいいけど。それにしても早くない?」
里香が家の中にかかっている時計を顧みる。
「待ち切れなくて、早めに来ちゃった」
ごまかして怒られるのもアレだし、そもそも僕が里香相手にごまかそうなんて、難易度が高すぎる。
だから恥ずかしいけど素直に言う。
「もう。いいよ、もうすぐ出来るから入って」
「いいの?」
「いいよ。こんな寒いのに外にいたら、風邪引いちゃうでしょ」
「はーい」
里香の後について、家の中に入っていく。
「座ってて」
言われたとおりに椅子に腰掛け、ぐるりと周りを見る。
基本的に我が家と同じ木造家屋だけど、所々にクリスマス物が置いてある。
このテーブルの上の小さなクリスマスツリーを里香が、一生懸命飾り付けている光景とかを想像するとなかなかに微笑ましいものがある。
「裕一、出来たよ。運ぶの手伝って」
「あいよ」
最後の仕上げが終わったのだろう。里香が僕に皿を渡し、僕はそれをテーブルに並べていく。
全部並べ終わると、かなり壮観な光景がテーブルの上に現れた。
「どう?」
凄いでしょというニュアンスを含めて、感想を聞いてくる。
「おぉ、すごいすごい」
正直二人分だと、少し多い気もする。まあ頑張ればいけるだろう。
「それじゃ、食べようか」
「ああ」
里香と対面に座る。
エプロンを取った里香は、中に黒いワンピースを着ていて、そこはかとなく色っぽい。
「いただきます」
「はい、召し上がれ」
「おお、うまい、旨い」
里香の手料理に舌鼓を打つ。
最初はちょっと多いかと思ったけど、案外スムーズに箸が進み、無くなっていく。
「ご馳走様でした。里香、美味しかったよ」
しっかりと手を合わせて、お礼する。
「はい、お粗末様でした」
里香もにこにこと笑い、上機嫌だ。
「ケーキ食べよ」
「買ってあるの?」
「勿論」
えへん、なんて胸を張って、冷蔵庫にケーキを取りに行く。
「二人用だからちっちゃいけどね」里香が持ってきた箱をテーブルに置き、ゆっくりと箱を開く。
「チョコケーキか」
しかもちゃんとホールだ。
「ん。小さいのにしたけど、二人じゃ多いからお母さんの分とっとくね」
「あいよ」
ケーキを三等分して、一つをラップして冷蔵庫に戻す。
「食べよ」
さっきとは違い、対面じゃなく、横に座る。
横から顔を覗き込んで来て、えへ、と笑う。
うん、こういうのもいい。
それに、今日の里香はとっても上機嫌だ。
そんな空気に乗って、僕も少し大胆なことをしてみる。
自分のケーキをフォークに乗せ、里香の口元に持って行く。
「はい、あーん」
「え、私?」
「うん」
里香の顔が赤く染まる。
そして、視線をさ迷わせた後、意を決したようにぱくっとケーキを食べる。
……これは素晴らしい。
なんというか、餌付けしているみたいで、愛おしさとか可愛さとか、もう色々なものが爆発しそうになる。

「はい、あーん」
そんな風に悶えている間に、ケーキをのせたフォークが顔の前に突き出される。
「俺?」
「うん。私もしたから、裕一も」
里香が赤い、というか真っ赤な顔で言い、フォークをぐいと差し出してくる。
僕はそれを躊躇なく頬張った。
うん、チョコの甘さと、それ以上になにかが甘いです。
「どう?」
「うん、美味しい。ほら」
また僕がフォークを差し出す。
ケーキを食べ終わるまで、僕たちはまるでバカップルのようなことをしていた。


満腹になったお腹を抱えてソファーに座り、横に居る里香の肩を抱き寄せる。
里香の体が傾ぎ、僕に寄りかかってくる。
さっきの名残で頬がちょっと赤いけど、目を瞑って、リラックスした感じで僕に身を任せてくる。
こんなに大人しく、可愛く、ちんまりとした里香を見ていると、ちょっとした、本当にちょっとした悪戯心が沸いてくる。
里香の耳元に口を寄せ、小さな声で囁く。
「料理美味しかった、いつもありがとう。里香、大好き」
我ながら気障っぽいことを言ってみる。こんなことが言えるなんて、僕も雰囲気に酔っているのかもしれない。
当の里香は一瞬身じろぎしたけど、そのまま何もせずに座っている。
ありゃ、失敗かな。
そう思い、ソファーに深く腰掛ける。
すると里香がすっと動き、僕の太ももの上に跨がってくる。
「裕一の馬鹿。そんなお世辞言っても、何も出ないんだからね」
「お世辞って。本心だよ」
思わず言い返してしまう。
里香は一瞬身動きをやめ、次の瞬間、唇を重ねてきた。
「ばか、ばか、ばか、ばか。……すき」
唇を重ねたまま、里香は何かを喋り、僕はその隙間を通じて、舌を潜り込ませる。
普段より熱い啌内を蹂躙し、舌を絡める。里香も僕に応じるように舌を動かし、お互いがお互いを味わう。
……あぁ、やばいなあ。このまま止まれなくなっちゃいそうだ

不意に里香の方から唇を離し、僕たちは至近距離で見詰め合う。キスの名残で僕も里香も息が荒い。
間を空けてから里香が口を開いた。
「裕一、お風呂入って来て。私も入るから。ね」
そして、ということだろう。僕は頷き、お風呂に向かった。



里香の部屋。布団の上に座って里香を待つ。
今の僕はパンツ以外何も着ていない。
まあ着ていても邪魔になるだけだから別にいいんだけど、また悪戯心が湧いてくる。
もし僕がしっかりと寝巻きを着、ぐっすりと里香の布団の中で寝込んでいたら、里香はどうするだろうか。
叩き起こすのか、一緒に寝るのか。それともねだるように起こすのか。
もし一緒に寝てしまったら、その時はその時で、悪戯して起こせばいい。僕は無論、里香だって到底我慢なんて出来るはずがないのだから。
……やってみよう。
ちゃんとジャージを着込み、里香の布団に潜り込む。
……里香の香りがする。
そりゃそうか。いつもここで寝てるんだもんな。
里香が階段を上がってくる音がし、僕は慌てて目を瞑り、それを待ち受けた。


ドアが開き、里香が入ってくる気配がする。
「裕……いち?」
ぱたぱたという足音。こっちに歩いてきているのだろうか。
「寝ちゃったの?」
里香がこっちを覗き込んだのだろうか、湿った髪が頬を撫でる。
「ゆーうーいーちー」
耳元で声を出しながら、僕の体を揺する。
髪が頬をくすぐり、微妙に心地良い。
里香は急に僕を揺するのをやめ、どっかに行ってしまう。
気取られないように身じろぎをして腕を布団の外に出してみる。

里香がそばに戻ってくる気配がする。
「……裕一が悪いんだからね」

里香が僕の腕を掴み、持ち上げる。
「んっ」
指先がぬるっとしたものに触れ、里香の小さな手が僕の指を握り、何かをひっかくようにこりこりと動かす。
「んっ……はぁ…裕一ぃ……」
もしかして、これ、オナニーしている?
「はぅ…ん……あっ」
僕が想像外の行動に驚き、目を開けたいという欲望と戦っている間に、里香はどんどんと指の動きを強くしていく。
「はっ……ひゃぅ…むぅ…裕一ぃ、ゆういちっ」
思わず、薄目を開けて見てしまう。
身に何も纏わず、白い肌を紅潮させ、一心不乱に僕の指で大事なところを弄る里香がそこに居た。
気付いたときには、僕は里香を抱きしめていた。

「きゃっ、ゆ、裕一、起きてたの?」
僕は縦に首を振り、里香の唇を奪う。
「むぅ…ん……ちゅる…」
里香と口づけたまま、上半身を起こし柔らかく華奢な体を抱きしめる。
「里香、可愛すぎ」
一瞬だけ口を離し、そう告げる。
そして再び口づけ、胸に手を当てた。
「ちゅっ…ちゅ…あふ…」
里香と舌を絡ませて、胸を触る。
里香の口内に舌を差し入れて、僕の舌を里香の舌に巻きつかせるように絡ませ、軽く吸う。そのたびに里香の身体がピクピクと跳ねる。
里香がお返しとばかりに舌を動かし、僕の口内の中を動き回る。
「くちゅ…くちゅ…ちゅぱ…んん…」
僕の咥内を思う存分動き回っている里香の背中に左腕を回し、自分の方に引き寄せる。
同時に右手で里香の胸を触る。
最初は撫でるように。肝心の突起には手を触れずに回りを指で撫でる。
撫でるだけ。軽く爪を立てたりもしない。撫でるだけだ。
左手で里香のサラサラの髪の毛を、右手で里香の胸を撫でながら、下半身から伝わってくる里香を抱きたい欲を抑える。
もう僕のモノはパンパンに張り詰めている。
一刻も早く里香を味わらせろと、煩く喚いてくる。

でも時間はたっぷりある。もっともっと里香を焦らして、イジめて、たまらなくなるまで我慢しよう。
「ん…ちゅぱ…ちゅぱ…くちゅ…んふぅ」
里香は僕の攻撃にぴくぴくと反応しながらも、舌で僕の口内を蹂躙し、硬くなった僕の物に下半身を押し付けてくる。
「んふ…んぅ……ゆういちっ…はやく……」
唇を離し、とろけた目で僕にねだる。
僕は返事代わりに、周りしか触っていなかった乳首を人差し指で軽く弾く。
もうそこはコリコリと膨らみ、里香がしっかり興奮をしていることを僕に伝えてくる。
「ひゃあっ……うぅ…あ…はあ…」
里香はただただ受身に、僕による、胸からの刺激を受け止める。
僕は左手も里香の胸にあてる。これまで右手だけだったから、単純計算で二倍の快感だ。
里香の鳴き声を聞くために、両手で胸をいじり、口で里香の首筋に吸い付いた。
「ぴちゃぴちゃ…ぴちゃ…くちゅ……ちゅう」
なるべく卑猥な音が立つように、細く白い首筋を吸う。
滑らかな肌を吸い、ほんのりと漂う里香の匂いをかぎ、汗のだろうか、薄い塩味を味わう。
「くぅ…は…ああぁ…ゆう、いちぃ…」
里香が身体に震わせ、僕に抱き付く力を少しずつ強めてくる。
両腕を肩に回し、足を腰に回してくる。
今の僕たちの姿を他人に見られたら、間違いなく吸血鬼を想像するに違いない。
首に吸い付かれて悶える少女と、首筋に吸い付いてチューチュと音を立てる男。
僕はそんな想像によって、さらに加虐心に火をつけられる。
里香の耳元に吐息を吹き掛けながら、囁く。
「里香、感じちゃってるんだ…こんなに濡らして……里香はエッチだな」
もう僕の腰まで、里香の愛液は垂れて、濡らしていた。
すると、里香はさらに僕の体に抱きつく力を強くし、真っ赤な顔で消え入りそうな声で答える。
「だ、だって…今の裕一が凄くやらしくて…ふぁっ」
ちょっと強めに乳首を摘む。
「俺が悪いの…さっきは自分で弄ってたくせに」
里香の胸を掌全体で揉みしだき、もういちど唇を重ねる。
「ん……」
右手を胸から腰に動かす。勿論すぐになんて触らない。お腹を撫でたり、太ももの外側をなでたり、内股を触れるか触れないかくらいで、指を動かす。
残った左手も休むことなく、胸をイジめる。

里香の胸はそんなに大きくはないけど、ふにふにと柔らかくすっぽりと手に収まり、なんともいえない魅力がある。
僕はそれの中央にあるピンク色の膨らみを親指と中指で摘んで転がしながら、掌で全体を小刻みにゆらす。
「んっ…あっ……はぅ…ひゃああっ…そう、エッチなの。私エッチだから…」
里香は、耐え切れなさそうに目で僕に訴えてくる。
もう、いじめないで。抱いて。と。
僕は両腕を里香の背中に回し、ぎゅっと抱きしめて布団に押し倒す。
ゆっくりと僕のそれを里香の入り口に合わせる。
「……あ」
「いくよ」
声をかけてゆっくりと腰を沈めていく
「あ、あ…は…あっ…ふはぁ…」
色っぽい声を上げ、僕にしがみついてくる。
「ん…はあ、あ…あ」
ぬるぬると熱い壁が僕のモノをぎゅうぎゅうと包んでくる。
里香に覆いかぶさるように手をつき、里香を味わいながら根元まで入れる。
「はあぁ……裕一…おっきい…」
「大丈夫…」
「うん……、ん…ゆういち」
里香が僕の首に腕を絡めて、キスをねだってくる。
僕は腰をゆっくりと前後しながら、もう何度目か分からないキスをする。
同時に腰を揺らし、里香の入り口の方に存在する里香のイイところを刺激する。
「はあ…うぅん、くあ…あっ…」
僕のモノが里香のイイところに触れるたびに里香の喘ぎが徐々に強くなっていく。
「ふうっ…ん……ああっ」
締め付けてくるだけだったあそこが、少しずつ僕を誘い込むような柔らかいうねりに変わっていく。
その動きにあわせるように、腰の動きを大きくしていく。
「あっ…ひゃうっ……んうっ…んあっ」
僕のが里香を削るたびに、悶え、体を揺らし、鼻に掛かった声を上げる。
その姿に僕も興奮させられ、段々と腰を動かす速度が速くなる。
里香は僕が中そうするたびに敏感な身体を快感に震わし、ぎゅっと抱きついてくる。
「はっ…やっ…裕一っ……私もうっ」
僕は入り口から奥まで全部を削るように大きく腰を動かす。
「はっ…はっ…んくっ……あっ、あああっ」
そして、もうただただ身を震わせて快感に耐える、里香の耳に舌を這わせる。

里香は全部僕の物。誰にも渡さない。そんな子供っぽい気持ちをこめて、耳を甘噛みし、腰を突き入れる。
「ふあぁっ…あ…やああぁぁ」
「ゆうっふあああっ…やっ…わたしっイっちゃ、はあっ」
「いいよ、イっちゃって」
「やっ、ゆういちもっいっしょがいい」
僕の責めに全身を真っ赤にし、身もだえしながら、蕩けた顔でそうのたまう。
「分かった、一緒な」
「はあっ…はあっ…」
里香は喘ぎながら、コクコクと子供みたいに首を縦に振る。
その姿に、自分の中の何かが切れる。
先端を子宮にグリグリと思いっきり押し付け、乱暴に腰を前後する。
「ひゃうっ…ふあぁっっ…ゆういちっ……きもちいいよぉっ」
里香は、多分もうイきかけてる。僕もそれを追いかけるようにめちゃくちゃに腰を動かし、急速に高まっていく。
「里香っ、もうっ、俺も」
「あっ…来て、裕一、きてっ」
里香の膣が不規則に強く締め付けてき、僕もそれに答えるように目一杯押し込んで里香の一番奥で欲望を解き放つ。
「あっ…やあっ…ひゃあああっ……ふあああああああああっ」



「はあ…はあっ。里香、イッちゃった…」
全部を里香の中に注ぎ込み、たっぷりと堪能してから耳元で囁く。
僕のその問いに、まだ息を荒げている里香は小さく頷いてくれる。
僕はなんとも言えない達成感を味わう。大事な人を気持ちよくして上げられた満足感と、いっしょに気持ちよくなれたことと……、とにかく色々な感情が混ざった幸せだ。
「動ける…」
「……うん。ね、もう一回しよ」
里香が僕の額にこつんと頭と当ててそう言う。
「うん、いいよ」
里香のお願いに、僕は当然、二つ返事で返す。
僕も里香もまだ若い。一回だけじゃ少し物足りないという気持ちは同じだったらしい。
「次は裕一の上がいいな」
里香は僕と額をくっつけたまま続ける。

「上…」
上とは騎乗位のことだろうか。
「俺が仰向けになるやつ…」
「違う違う。胡坐かいて」
違うのか。何をしたいのか見当がつかないけど、僕は言われたとおりに胡坐をかく。
すると里香がそそくさと僕の方を向いて、腰の上に座ってくる。
「このかっこでしよ…」
なるほど、座位か。
里香が肉棒に手を沿え、入り口に導いていく。そしてゆっくりと腰を沈め、僕のがずぶずぶと里香のなかに埋まっていく。
「あ。あっ…あん」
悩ましい声を上げながら、僕を受け入れていく里香の顔が目の前で色っぽく変化していく。
「ふ…うん……っ」
僕はただ受身で里香の中に飲み込まれていく自分自身を感じ、里香の顔を見る。
うん、こういうのもけっこうありだ。
「裕一、動くね」
息子を飲み込みきった里香が、ゆっくりと腰を動かし始める。縦にじゃなく、前後の動き。
「はぁ…ふぅ……ん、裕一……どう…」
「うあ、これ……なに…」
僕は未体験の刺激に完璧に翻弄されていた。
いつもの全体がいっしょくたに刺激される縦の動きじゃなくて、先端、真ん中、根元と、それぞれが違う力で違う感触で、同時に締め付けられる感覚。
「ふあっ…裕一の、凄く、固くなってる」
「うん、里香のが気持ち良いから」
僕は里香の胸に手を伸ばし、掌で乳首を転がす。
「ふうんっ…あ……」
途端に里香が鳴き声を上げる。
「里香、胸弱いよね」
「ん……あ…裕一が、たくさんっ触るから」
乳首を軽くつまみ、里香の腰が前後に動くのに合わせて、僕は里香の体を縦に動かす。
「やっ…はげしっ…ああっ」
里香が僕の腰に足を絡め、全身を密着させ、て大きく深呼吸する。
「裕一、好きなようにしていいから、私に、一杯感じさせて。ね」
そしてにっこりと笑いながら言った。
「ん、分かった。止まらないからね」
コクりと頷くと、更に強く僕の体に抱きついて、僕の攻撃に備える。
僕も里香の体に腕を回して、体を抱え込んでから、思いっきり腰を動かしはじめた。
「ひゃうっ…あっ…ふあっ」
なかがうねうねと絡みつき、僕から搾り取ろうと締め付けてくる。
「あ…っ、あ〜…っ、ゆういちっ…」
蕩けた目で僕を見つめ、甘い声で僕を呼ぶ。

普段の里香からは絶対に想像できない姿。僕にしか見せてくれない姿。
そんなこと考えるたびに、どんどん余裕がなくなっていってしまう。
「ああぁ…裕一っ、ゆういちっ、ぎゅってっ、ぎゅってして」
「こう…」
華奢な背中に回している腕に力を込めて抱き寄せる。
もともと密着していた僕たちの体がさらにくっつき、里香のおっぱいが僕の胸板にあたり、柔らかい感触を伝えてつぶれる。
「ん…ふああっ…私もう……イくっ…」
里香の体が小刻みに震え始める。
「俺も、もうっ」
高まった自分と里香をイかせるべく、奥をコツコツと苛める。
「あ…はやくっ…ひゃうっ…イっちゃう……うああああぁっ」
啼き声と共にひときわ強く僕を抱きしめてき、僕もそれに応じて抱き締める。
「や、あ、ゆういちっ…ゆういち大好きっ、ふああああああああぁぁぁあっ」
里香の喘ぎとともに僕は一際強く打ち付け、里香の中に精液を注ぎこんだ。
「ああぁ…ゆういちの、でてる……」
とてつもない快感に頭が白く染まり、そのままドサッという音を立てて、僕と里香は布団に倒れこむ。
強烈な疲労感と睡魔に襲われ、瞼が落ち始める。
最後に僕の視界に映じたのは、もう目を瞑った里香の、
「裕一、大好き」
という呟きだった。




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